2014年12月16日火曜日

さすがはソマリア軍

さすがはソマリア軍。一筋縄ではいきません。

昨日の時点でほぼ諦めていた「ブルンジ軍によるソマリア軍のトレーニング」の取材許可が下り、本日行ってきました。

また汗だくになってコンボイ揺られること1時間。
会場であるブルンジ軍ベースキャンプに到着するとすでにセレモニーの準備が整い、双方の軍のVIPが会見用の席に座り談笑してらっしゃる姿が目に入りました。

「今日こそは、やっとまともな取材ができそうだ!」と、思いました。(その時は…)

「VIPの方々に失礼がないようにしなきゃ」と思い、コンボイを降りたその足でご挨拶にも伺いました。(意気揚々と…)

そして、テクニカル(※)の側で「たむろしている」ソマリア軍側VIPのボディーガードにも「今日はよろしくお願いします」と笑顔でご挨拶。(どう贔屓目にみても「待機している」ではないかな…)
(※)ピックアップトラックの荷台に対戦車砲や対空砲を積んだ武装車両

これで参加者に礼を失する事はなくなったので、ベースキャンプの外にいる250人のソマリア軍がゲートから入ってくる姿を撮影するため「どこが一番絵になるか」を探し、肌がジリジリと焼けてくるのを感じながら、その入場を今か今かと待ち構えていました。

しかし、しばらくすると何か揉めてる雰囲気が…。
しかも一緒にトレーニングをする相手なのに、なぜかゲートを守るブルンジ軍は臨戦態勢…。
その銃口の先には背中に「CHELSEA(イギリスのサッカーチーム)」と書かれた青いトレーナーを始め思い思いの私服で、通勤カバンのように自動小銃や対戦車砲を手にぶら下げて「たむろしている」ソマリア軍。

「今日はトレーニング初日なんで、セレモニーと人権に対する考え方などの座学だけなんだ。だから我々はベースキャンプ内への武器持ち込みをやめて欲しいと伝えてるんだけど、彼らは『それは絶対に嫌だ、受け入れられない』って引かないんだよ」と、その理由を隣にいた大尉が教えてくれました。

「人様の家に入るのに、必要のない武器をわざわざ携えて入る必要はないってソマリア軍も思うだろう。しかも上層部は武器を持たずすでに会見の席についているし。まあ、納得するにはもう少しかかるかもしれないけど」。その時点ではそう楽観視してました…。

しかし30分ほど経った時、「わざわざ来てもらったのに悪いけど、今日の会見は延期になったって」と、先ほどの大尉に耳打ちされました。

「我々も、わざわざモガディシュから運んできたテントを朝から組み立てたり、人数分の食事の準備もしてたりしたんだけどね~」
そう続けた大尉の表情は「苦虫を噛み潰したような顔」という言葉そのもの。

しばらくしてソマリア軍側VIPの面々がテクニカル(※)車内に乗り込むと、ダラダラと荷台に上がったボディーガードたちと一緒に、颯爽とベースキャンプから立ち去っていきました。
走り去るテクニカルの後ろ姿は、2002年のモガディシュ初訪問時に、初めてを見たテクニカルとダブりました

本当に今年はこういうパターンばかりですが、残された明日一日、もう少しあがいてみます。

(追記)
昨日お伝えしたアル・シャバブによる国連施設への攻撃なのですが、恐らく使用された武器は迫撃砲、幸いすべて海に着弾したため被害はなかったそうです。



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